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日本線維筋痛症学会市民公開講座のご紹介

 9月に入って10日あまり経ちました。朝晩はすっかり涼しく、半そでシャツ1枚ではやや肌寒いぐらいです。さて今回のブログでは、10月に千里中央で開催される日本線維筋痛症学会第9回学術集会の市民公開講座「Total Pain Management のために“わたし”自身ができること」をご紹介します。日本線維筋痛症学会には私も理事の一人として参画していますが、今回の学術集会は阪大整形外科医局の先輩で、個人的にも大変親しくさせていただいている三木健司先生が会長を務められます。

※ 画像をクリックすると詳細情報がご覧になれます。

 線維筋痛症という病名はあまりご存じないと思いますが、持続する全身の強い痛みを主症状として、ドライマウスやドライアイ、過敏性腸症候群、過活動性膀胱など他の身体症状に加えて、不眠やうつ病などの精神神経症状もともなう病気です。有効な治療方法はいまだ確立されておらず、詳細な病因や病理、病態も不明です。厚労省研究班の調査では、日本全国で人口の1.66%(推定200万人)が罹患しているとされ、うち80%が女性とされています。

 前述の通り、線維筋痛症の症状は大変多彩であり、単一の「疾患」というよりは「症候群」と位置付けられ(英語圏ではfibromyalgia syndromeと呼ばれることも多い)、また各種検査でもこれといった異常は見つかりませんので、「機能性身体症候群」のひとつともとらえられています。診断や治療にあたる診療科目も整形外科、リウマチ科、精神科、心療内科、神経内科、リハビリテーション科など幅広く、複数の科が協力して、すなわち集学的な診療が行われることが理想的です。

 また不安や焦り、怒りといった感情、あるいは痛みのせいで何もできない、動けないといった破局的な考えが症状をさらに悪化させますので、患者さん自身が心の平穏を保ち、頭の中を整理して痛みと上手に付き合っていくこと、そして積極的に運動、行動し、社会参加していくことが重要です。今回ご紹介する市民公開講座では、線維筋痛症の治療経験が大変豊富な臨床心理士と理学療法士が講演しますし、第3部の交流会には私も医師の一人として参加する予定です。線維筋痛症に限らず、慢性的な痛みでお困りの患者さんやご家族の方にぜひご参加いただければ幸いです。

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